2015年11月27日金曜日

で、結局、スマホ向けゲームパッドってどうなったんでしたっけ。

以前、東洋経済の記事について思うことを書いたわけだが。

東洋経済【ゲーム機はいらなくなる?ストラタスの破壊力iPhone用コントローラーにヒットの兆し

iOS用のゲームパッドが発売されて早1年半が過ぎたのだが、状況はどうなったのか整理しよう。

まず、皆さんの周りに、スマホ用のゲームパッド持ってる人っています?私はいない。というか、私しかいない。

ある日、アメリカ最大手家電量販チェーンBestBuyで聞いてみた。

「スマホ用のゲームパッドって置いてます?」

店員さんは他の店員さんたちにも聞いてくれて、こう答えた。

「スマホでゲームパッドは使えません。なので、そんなものはないです。」


先日のことだ。

アメリカの最大手ゲーム専門店GameStopに行った。この店は、店員さんがみなゲーム好きばかりで、入ってきたお客に話しかけてきて相談に乗ってくれる。そんな店員さんに聞いてみた。

「スマホ用のゲームパッドって置いてます?」

店員さんはこう答えた。

「すみません、私は"それ"知らないです」

あれ?なんで誰も知らないの?
もしかしたら、日本だけでスマホ用ゲームパッドが大流行しているのかもしれないが、少なくともアメリカの普通の人は知らない。というか、専門店の人にすらちゃんと認知されていない。

実際は、BestBuyの店内をくまなく探したら、ワゴンセールの中に半額になったMogaのAndroid用ゲームパッドはひっそりとあった。あと、1年前までは、ニューヨークのGameStopにAndroid用のゲームパッドは置いていたが、こないだ見たら無くなってた。

少なくともアメリカの自分の生活圏では、スマホ用のゲームパッドは一般化しなかった。


アメリカのAndroidの売り上げゲームランキングを見ると、RTSとカジノ系、パズルとタッチ操作の方が適したものだけだ。これは日本のランキングも似たようなものだろう。

まあつまり、スマホ向けゲームパッドは、スマホゲームの流れを変えることも、コアユーザーをコンシューマーやPCから離れさせることはできなかった、ということ。

前の記事にも書いたが、自分はiOSやAndroidゲームに大いに期待していた。毎年のようにスペックアップしていく本体、使い古された表現となった「据置機並のグラフィック」のゲームアプリ。しかし、比較的簡単にroot化できるAndroidでは海賊版が大問題となり、買い切り型のゲームはかなり少なくなった。iPhoneに関しては、『モンハン』と『BioShock』がリリースされて話題になったが、これはちょっとしたオチがあるので後述する。

結果として、大多数のスマホのゲームは「スマホゲーム」という枠組みで進化していき、自分が求めていた「ゲーム」にはなることはなかった。


あと、Appleが規格を作ったMFiゲームパッドだが、これは落とし穴がずいぶんあるものだった。まず、Bluetooth接続のものが多いこと。ゲームパッドは入力の遅延が少なくてなんぼの世界なのに、今出ているMFi規格のものは体感できるほど入力に遅延がある。自分が試したMogaのlighteningコネクタ接続のものですら、OS上の問題なのか入力遅延が発生する。

さらに、MFiゲームパッドで驚いたのが、全ボタンアナログ入力であるということ。XboxやPSのゲームパッドは、基本的にスティックやトリガー以外のXYABなどのボタンはスイッチである。しかし、MFiゲームパッドは、すべて0〜255までの感度領域のあるアナログ仕様となっている。ほとんどの対応ゲームが、XYAB、LB/RBはすべてある程度まで押し込まないと反応しないようになっているため、ボタンのレスポンスがすごく悪く感じる。そもそも遅延のあるBluetooth接続と相まって、正直なところフレーム単位の反応が必要となる本格的なアクションゲームには向いていない。

ついでに言うと、最近の一般的なゲームパッドよりもボタン数が少ないのも問題だ。L/Rスティックの押し込みとセレクトボタンに該当するものがないのだ。昨今、ゲームによってはXbox OneでもPS4でもボタンが足りないと感じるゲームも多く、Xbox Oneは4つボタンが追加されたエリートコンが発売したし、Steamコントローラも一般的なレイアウト+背面に2ボタン追加している。

なんというか、MFiゲームパッドはゲーム好きじゃない人が考えた規格なのかなと思うほどで、正直、ゲーマーが使い易いと感じるとは到底思えない。



さて、昨年、『モンハンP2G』『BioShock』という2大傑作ゲームがiOSに移植されたことは先ほど書いた。このゲームはタッチ操作だけではあまりにも忙しい操作となるので、ゲームパッドでの操作が最も適しており、iOS用のゲームパッドのアピールに一役買っていた。

しかし、しかしだ。これら2つのビッグタイトルは、去年リリースされたにもかかわらず今は販売停止となっている。理由はiOS9.0へのアップデートによる不具合だ。OSをアップデートすると起動しなくなるという致命的な不具合。しかし、スマホは生活必需品なので、必要な機能のためにはアップデートせねばならない。しかも、買い切りタイトルであるこれらのゲームは、開発側が少なくない予算をかけてiOS9に対応させたところで、どれだけペイできるかわからないのではないか。すでに1年以上前のアプリであり、格安セールも行っているので、欲しい人はもう持っているのだ。実際、買い切り型のアプリは2、3年アップデートされてないものもザラにある。

もちろん、ゲームのためにOSをアップデートしないという手もあるだろうが、そうしてしまったら生活に必要なアプリがiOS8で動かなくなった場合にどうしようもなくなる。

スマホはスマホであって、けっしてゲーム機にはなれない。保存版としてずっとにプレイしたかったゲームも、いつかプレイできなくなる日がくるデバイスなのだ。

まあ、そんなこんなで、最初に戻ると、1年半経った今言えるのが、「ゲーム機はいらなくならなかった」ということであった。たぶん、これからも。

あー、Nvidia Shield欲しい(おい)



2015年11月26日木曜日

HMDを使ったVRは流行するのか?考えのメモのようなもの。

最近、「Oculus」とか「PS VR」とかの単語を多く目にするようになった。これらはヘッドマウントディスプレイを使用した「仮想現実」を体験できるシステムだ。なにができるかというと、基本的に上記の二つは、体感型のゲームをするためのデバイスと考えていい。

ほんで、今は各メディアがこれから来る来る言ってて、コアユーザーも欲しい欲しいと言っているこのVR関連なんだけど、自分もイベントでPS VRや、HTCとValveが共同開発したViveとか体験したことあって、すんごい没入感だったので発売されたら値段次第では即買いしようと考えている一人ではある。

ほんで、結局、これって流行るの?って話だが、正直なところ、私は一般的なほどに普及するとは思っていない。各社同じようなタイミングで発売されれば、一瞬流行っていると感じるだろうが、結局コアユーザー以外に行き渡る前に縮小していく気しかしない。かつての3Dテレビのように。



まず、Oculus RiftやPS VRはHMDである。HMDは基本的に頭を覆って目の前のスクリーンに映像を映す。ここに左右の目の視差を利用した3D機能に、センサーによるトラッキング機能が入ることで立体的映像+映像が自分の頭の動きに合わせて動き、非常に大きの没入感を得ることができる。

この時点でわかるようにVR HMDは一人用である。3〜5万円ほどの価格になるであろうこの端末は、家族や友人と同時に使うことはできない。ついでに言えば、VR HMDは単体で使うことはできず、"最新"の高スペックゲーミングPC並(2015年11月現在)の性能を持ったPCか、PS4を持っていることが前提となる。VRのために全て最初から揃えると、7〜20万円以上の投資が必要となる。



で、現在のVR HMDでできることなのだが、現段階では基本的にはゲームの周辺機器と考えてよい。ゲームの体験を発展、拡張させるものだ。他には、おまけ要素として、Sonyの大ヒットHMDであるHMZシリーズのように映画が3Dで見れるといったことぐらいであろう。ちなみに、大ヒット商品であったSonyのHMZシリーズも、HDMとしては大ヒットだったというだけで、一般への普及は果たせずにシリーズの幕は閉じている。

ここで、一般への普及の妨げとなると私が考えるのが、一人用故に購入層が限られること、プレイできるゲームのジャンルが限られること、端末の価格の高さと重量、それとHMDであること、だ。

購入層に関して、常にPCゲームやVRを追っかけているコアなユーザーはまず飛びつくだろう。どんなに高くても。これは一人暮らしや家族持ち関係なしに、趣味の世界であるから一定数は間違いなく売れる。しかし、その先を考えてみよう。VR HMDの良さを一般に認知させるのは、メディアでの広告、体験会、知り合いがやっている、などがあると思うが、こういう体験会は大都市に限られることが多く、知り合いがもっているものを触らせてもらえるのはVR HMDに限っては稀なことになるだろう。で、一般的に最も触れるであろうメディア広告だが、VRに関しては最も良さが伝わらない媒体であると言える。4Kや3DテレビのCMを普通のHDテレビでやるのと同じで、自身の体で体験しないと何がいいのか全く伝わりづらい分野であると思う。

そして、これまた専用グラスが必要な3Dテレビと同じで、専用のHMDをかけなければVR体験はできない。しかも、目を覆うので、VR体験以外はできなくなる。お菓子を食べたりドリンクを飲んだり、はたまたノートPCやスマホで攻略情報調べたりSNSをしながらゲームをプレイすることはできない。また、HMDとしては非常に軽く作られているが、人が常に頭につけているものと考えるとまだまだ重い。長時間プレイには向かない。自分は3D映画をSonyの3Dテレビで見ているが、HMDと比べはるかに軽い3Dグラスでさえ二時間も装着しているとかなり疲れてくる。VRには疲れなど吹き飛ぶくらいの体験があるが、そのためにある程度の努力が必要となるのは、ゲームを気晴らしや暇つぶしと考えている人にはどう映るのだろう。

あと、VR HMD用のゲームは、現段階ではジャンルが限られてしまうのもネックだ。体感型という特性から現在リリース&開発中のゲームは基本的に主観視点のものが多い。ジェットコースターを体験したり、お化け屋敷的なところを歩いたり、戦闘機やロボットのコクピットで操作したり、である。マリオのような横スクロールアクションはVRでプレイする必要はないし、ドラクエのように鳥山明のキャラを操作してじっくりと腰を据えてやるものもない。プレイする環境も、基本的には椅子に座ってのプレイとなる。HTC&ValveのViveは部屋を歩き回ったりできるのだが、そのためにはVR専用の部屋が必要になる。私は、Xboxの馬鹿でかい専用コントローラーが付属した『鉄騎』を購入して、それ用に部屋を改造していたりしたが、そんなことをする人間はごく一部だと自分がよくわかっている。

VR HMDの購入年齢層だが、一人用であることから、基本的には家族持ちには辛い。そうすると、独身で経済的に余裕のある22歳〜40歳くらいがメイン層となると想定される。そこから、すでにコンシューマーゲーム機をやってる(やりたい)又はゲーミングPCで遊んでいる(遊びたい)ユーザーであり、VRに興味があり3Dに耐性があるか、そしてファーストパーソンのゲームが好きか、と考えていくと、購入に至るまでにかなりのユーザーが振り落とされてしまうのではないか。



ところで、iPhoneは発売当初は各メディアに流行らないと言われたが、現在はほとんどの人が持っているほど流行っている。当時のauの社長が見誤ったほどに、スマートフォンは浸透しているが、VR HDMとはどのように状況が違うのだろうか。

VR HMDについては、個人的にはiPhoneよりも先に述べたように体験を拡張させるという点で3D映画に近い感じがする。決定的な違いとして、iPhoneをはじめとしたスマートフォンは生活必需品である。また、前提として、iPhoneが出る前にはすでにほとんどの人がガラゲーを持っていたという点は重要だ。iPhoneという存在が流行ったのではなく、もともと皆が持っていたガラゲーがiPhoneとスマフォに置き換わったのである。VR HMDはゲームを拡張させるものであると考えるとその違いは明白だ。

ちなみに、私は日本で初代iPhoneが発売されなかった時に初代iPod Touchを購入し、その良さをまわりに布教しまくったが、誰ひとりとしてその良さに同意を示してくれなかった。その後、SoftBankがiPhone3Gを発売したが、実際、3Gはそこまでヒットしていない。その時期に、各メディアが「iPhoneは流行らない」という記事を載せており、件のauの社長の「スマフォは日本で流行らない」発言もその頃である。

日本でiPhone旋風が起こったのは、Sonyが初代Xperiaをリリースし、Android端末が日本でも一般化し始めたころに出ていたiPhone3GSからである。ちなみに、初代iPhoneはアメリカではそれなりにヒットしている。日本でiPhoneが流行ったのは、タッチデバイスのスマートフォンを一般の人が多く目にする機会が増えたからだと推測される。

この状況からも、iPhoneとVR HMDの置かれた環境は全く違うことがわかる。繰り替えすが、徹底的な違いは、生活必需品か否か、である。

これらのことから、個人的にはOculus RiftやPS VRなどのVR HMDは一般化しない、つまり普通の人たちの中では流行らないと思っている。しかし、VR HMDでの体験が素晴らしいのは疑いもなく、3D映画のように、特定の場所で体験できるアトラクションとしては広まっていくと思う。



VR HMDはゲームとしてスタートしたが、企業や医療向けとして開発がスタートしているMicrosoftのHoloLendsのように、多方面で活用される可能性も大いにある。また、SamsungのGear VRみたいに、スマートフォンと連携させる形や、母艦PCレスになっていけば、また風向きは変わりそうだ。

ただ、現段階では、ハイスペックPCやPS4を必要とするVR HMDは、爆発的なヒットにはつながらないという考えからは抜け出せそうにない。

ということで、そんな正しいのか間違っているのかもよくわかっていない今の自分の考えをここにメモってみた。5年後、10年後に見直してみるために。

2015年11月5日木曜日

Amazon.comから早すぎるクリスマスプレゼントが来た……。Hori製スプラトゥーンプロテクターがいっぱい、の巻。

最近、ブログをサボり気味だったせいか、ネタが降ってきすぎて困る今日この頃。

スプラトゥーンにはまっている我が家は、家族で対戦したくて北米版Wii U買っちゃったりなどアホなことやっているが、それを上回るアホな事態が起こったのである。

ことの発端は、こっちのAmazonでHoriの「スプラトゥーンプロテクトケース」を注文したことにはじまる。



日本だと3400円ほどだがアメリカだと15ドルぐらいだったので、Amazon.comでポチったのであった。

そして2日後……。

アメリカのAmazonは日本並みに早い。だってアメリカ資本なんだもん。本社があるシアトルなんて2時間配達とか始めているんだよ……ってそんなことはどうでもいい。

さて、アパートの前にはなぜか巨大な段ボール箱。Amazonの過剰な梱包を考えてもちょっとデカすぎるし重すぎる。

いったいどういうことなのだ……と恐る恐る箱を開けてみると、また箱が……。

これはなんだ……いったいなにが届いたのだ……と、その小さい(といってもでかい)箱を開けると……



注文したスプラトゥーンのプロテクトケースが!ああ、よかった違うものが届いたわけじゃないんだ、と安心したのも束の間、何かがおかしいと気づく。












あれ、箱の中にあと3個も同じものが入ってる……。



そして、これと同じ箱があと5個もある……。

これはまさか……と段ボールの伝票を確認すると、「プロテクトケース×24」となってるではあーりませんか!

やばい、これは注文時にミスったか?と思い、速攻Amazonのオーダー履歴を確認するも、注文したのは1個だけ。お金も15ドルしか引き落とされてない……。

そう、Amazon側が完全にミスったのだ。1個のオーダーだったのに、1箱送りつけてきたのである。しかたがないので、Amazonのカスタマーサポートにメール。1個頼んだら24個きたので残りを返品したいんだけど……とメールを打った。

すると……

As a very loyal customer, I don't want you to put in hassle in returning an item which is caused by our error at the fulfillment center. As returning the item would cause you such inconvenience in this case, please keep it with our compliments. You are welcome to keep, donate or dispose of it whichever is convenient to you. 

という返事。

つまりが、「あんたはいいお客さんなんで、こっちのミスで迷惑かけるわけにはいかないから返品しなくていいよ!全部あげるから寄付するなりあげるなりしていいよ!だってそれが一番楽でしょ?」

的な内容である。

24個もいらんわーーーーーーーー!!!こちとら返品したかったんじゃボケェーーーー!!

太っ腹だとは思うが、全くもって必要ないものが23個余ってしまってワンワンワワン、である。

仕方がないので、うちのWii U2台ともに装着し、友人にあげることにした……が、のこり20個もあるヨ!

「♯ゆるぽ☆スプラトゥーンのWii Uゲムパプロテクター欲しい方、差し上げます☆アメリカ東海岸まで取りに来れる方DMください!」ってトゥイッターで募集かけてもこんなもん誰も来んわボケェ……。

これがソフト24本なら売りさばいてがっぽがっぽだが、こんな一個15ドルでかさばるもんどうしろと言うんだ……。

ということで、とりあえずうちにはAmazonさんからはやクリスマスプレゼントということで、Hori製スプラトゥーンプロテクターがいっぱいあるよ!地球滅亡まで(?)あと……20個!

ウレシクナイワー……。