2015年11月26日木曜日

HMDを使ったVRは流行するのか?考えのメモのようなもの。

最近、「Oculus」とか「PS VR」とかの単語を多く目にするようになった。これらはヘッドマウントディスプレイを使用した「仮想現実」を体験できるシステムだ。なにができるかというと、基本的に上記の二つは、体感型のゲームをするためのデバイスと考えていい。

ほんで、今は各メディアがこれから来る来る言ってて、コアユーザーも欲しい欲しいと言っているこのVR関連なんだけど、自分もイベントでPS VRや、HTCとValveが共同開発したViveとか体験したことあって、すんごい没入感だったので発売されたら値段次第では即買いしようと考えている一人ではある。

ほんで、結局、これって流行るの?って話だが、正直なところ、私は一般的なほどに普及するとは思っていない。各社同じようなタイミングで発売されれば、一瞬流行っていると感じるだろうが、結局コアユーザー以外に行き渡る前に縮小していく気しかしない。かつての3Dテレビのように。



まず、Oculus RiftやPS VRはHMDである。HMDは基本的に頭を覆って目の前のスクリーンに映像を映す。ここに左右の目の視差を利用した3D機能に、センサーによるトラッキング機能が入ることで立体的映像+映像が自分の頭の動きに合わせて動き、非常に大きの没入感を得ることができる。

この時点でわかるようにVR HMDは一人用である。3〜5万円ほどの価格になるであろうこの端末は、家族や友人と同時に使うことはできない。ついでに言えば、VR HMDは単体で使うことはできず、"最新"の高スペックゲーミングPC並(2015年11月現在)の性能を持ったPCか、PS4を持っていることが前提となる。VRのために全て最初から揃えると、7〜20万円以上の投資が必要となる。



で、現在のVR HMDでできることなのだが、現段階では基本的にはゲームの周辺機器と考えてよい。ゲームの体験を発展、拡張させるものだ。他には、おまけ要素として、Sonyの大ヒットHMDであるHMZシリーズのように映画が3Dで見れるといったことぐらいであろう。ちなみに、大ヒット商品であったSonyのHMZシリーズも、HDMとしては大ヒットだったというだけで、一般への普及は果たせずにシリーズの幕は閉じている。

ここで、一般への普及の妨げとなると私が考えるのが、一人用故に購入層が限られること、プレイできるゲームのジャンルが限られること、端末の価格の高さと重量、それとHMDであること、だ。

購入層に関して、常にPCゲームやVRを追っかけているコアなユーザーはまず飛びつくだろう。どんなに高くても。これは一人暮らしや家族持ち関係なしに、趣味の世界であるから一定数は間違いなく売れる。しかし、その先を考えてみよう。VR HMDの良さを一般に認知させるのは、メディアでの広告、体験会、知り合いがやっている、などがあると思うが、こういう体験会は大都市に限られることが多く、知り合いがもっているものを触らせてもらえるのはVR HMDに限っては稀なことになるだろう。で、一般的に最も触れるであろうメディア広告だが、VRに関しては最も良さが伝わらない媒体であると言える。4Kや3DテレビのCMを普通のHDテレビでやるのと同じで、自身の体で体験しないと何がいいのか全く伝わりづらい分野であると思う。

そして、これまた専用グラスが必要な3Dテレビと同じで、専用のHMDをかけなければVR体験はできない。しかも、目を覆うので、VR体験以外はできなくなる。お菓子を食べたりドリンクを飲んだり、はたまたノートPCやスマホで攻略情報調べたりSNSをしながらゲームをプレイすることはできない。また、HMDとしては非常に軽く作られているが、人が常に頭につけているものと考えるとまだまだ重い。長時間プレイには向かない。自分は3D映画をSonyの3Dテレビで見ているが、HMDと比べはるかに軽い3Dグラスでさえ二時間も装着しているとかなり疲れてくる。VRには疲れなど吹き飛ぶくらいの体験があるが、そのためにある程度の努力が必要となるのは、ゲームを気晴らしや暇つぶしと考えている人にはどう映るのだろう。

あと、VR HMD用のゲームは、現段階ではジャンルが限られてしまうのもネックだ。体感型という特性から現在リリース&開発中のゲームは基本的に主観視点のものが多い。ジェットコースターを体験したり、お化け屋敷的なところを歩いたり、戦闘機やロボットのコクピットで操作したり、である。マリオのような横スクロールアクションはVRでプレイする必要はないし、ドラクエのように鳥山明のキャラを操作してじっくりと腰を据えてやるものもない。プレイする環境も、基本的には椅子に座ってのプレイとなる。HTC&ValveのViveは部屋を歩き回ったりできるのだが、そのためにはVR専用の部屋が必要になる。私は、Xboxの馬鹿でかい専用コントローラーが付属した『鉄騎』を購入して、それ用に部屋を改造していたりしたが、そんなことをする人間はごく一部だと自分がよくわかっている。

VR HMDの購入年齢層だが、一人用であることから、基本的には家族持ちには辛い。そうすると、独身で経済的に余裕のある22歳〜40歳くらいがメイン層となると想定される。そこから、すでにコンシューマーゲーム機をやってる(やりたい)又はゲーミングPCで遊んでいる(遊びたい)ユーザーであり、VRに興味があり3Dに耐性があるか、そしてファーストパーソンのゲームが好きか、と考えていくと、購入に至るまでにかなりのユーザーが振り落とされてしまうのではないか。



ところで、iPhoneは発売当初は各メディアに流行らないと言われたが、現在はほとんどの人が持っているほど流行っている。当時のauの社長が見誤ったほどに、スマートフォンは浸透しているが、VR HDMとはどのように状況が違うのだろうか。

VR HMDについては、個人的にはiPhoneよりも先に述べたように体験を拡張させるという点で3D映画に近い感じがする。決定的な違いとして、iPhoneをはじめとしたスマートフォンは生活必需品である。また、前提として、iPhoneが出る前にはすでにほとんどの人がガラゲーを持っていたという点は重要だ。iPhoneという存在が流行ったのではなく、もともと皆が持っていたガラゲーがiPhoneとスマフォに置き換わったのである。VR HMDはゲームを拡張させるものであると考えるとその違いは明白だ。

ちなみに、私は日本で初代iPhoneが発売されなかった時に初代iPod Touchを購入し、その良さをまわりに布教しまくったが、誰ひとりとしてその良さに同意を示してくれなかった。その後、SoftBankがiPhone3Gを発売したが、実際、3Gはそこまでヒットしていない。その時期に、各メディアが「iPhoneは流行らない」という記事を載せており、件のauの社長の「スマフォは日本で流行らない」発言もその頃である。

日本でiPhone旋風が起こったのは、Sonyが初代Xperiaをリリースし、Android端末が日本でも一般化し始めたころに出ていたiPhone3GSからである。ちなみに、初代iPhoneはアメリカではそれなりにヒットしている。日本でiPhoneが流行ったのは、タッチデバイスのスマートフォンを一般の人が多く目にする機会が増えたからだと推測される。

この状況からも、iPhoneとVR HMDの置かれた環境は全く違うことがわかる。繰り替えすが、徹底的な違いは、生活必需品か否か、である。

これらのことから、個人的にはOculus RiftやPS VRなどのVR HMDは一般化しない、つまり普通の人たちの中では流行らないと思っている。しかし、VR HMDでの体験が素晴らしいのは疑いもなく、3D映画のように、特定の場所で体験できるアトラクションとしては広まっていくと思う。



VR HMDはゲームとしてスタートしたが、企業や医療向けとして開発がスタートしているMicrosoftのHoloLendsのように、多方面で活用される可能性も大いにある。また、SamsungのGear VRみたいに、スマートフォンと連携させる形や、母艦PCレスになっていけば、また風向きは変わりそうだ。

ただ、現段階では、ハイスペックPCやPS4を必要とするVR HMDは、爆発的なヒットにはつながらないという考えからは抜け出せそうにない。

ということで、そんな正しいのか間違っているのかもよくわかっていない今の自分の考えをここにメモってみた。5年後、10年後に見直してみるために。

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