2015年6月6日土曜日

電脳キャット3D:「PlayStation 3D ディスプレイ」についてのあれやこれ。

3D、それは男の浪漫。

ということで、仕事で20インチほどのHDMIモニターが必要になったので、どうしようかと思っていたところ、Amazonで24インチの「PlayStation 3D ディスプレイ」なるものを発見。スペックは1080pの240Hzとなかなか優秀。しかも、新古品で140ドルという非常に手頃な値段。

グレア液晶とのことだったが、使用用途としては発色がいいものが良かったため、日米のネットの評価を調べてこれを購入してみた。

何気に今まで知らなかったのだが、これは2011年にPS3用のディスプレイとして発売されたもので、当時の3Dブームを加熱させる燃料として投入されたもののようだ。このディスプレイが発売される少し前にはPS3の一部のゲームが3Dに対応&3D Blu-ray対応のしていたとのこと。


形はなぜかPSPgoに似せるという自虐的(?)なデザイン。HDMIポートが2つ、コンポーネント端子ポートが一つとすっきりした感じである。あくまでもディスプレイのため、テレビチューナーは搭載していないのでテレビの視聴はできない。あと、3Dグラスは付属。


リモコンはないため、電源等は全てボタン操作になるのだが、iMacを模倣したのかなぜか全て背面につけるというデザインに。うん、とっても使いづらい…。まあ、ディスプレイなので、そこまで頻繁に入力を切り替えないのと、HDMIの信号でスタンバイから立ち上がるのでデザインを重視したのであろうと推測。しかし、スピーカーも付いているので、音量の上げ下げはとっても面倒くさい。

さて、この「PlayStation 3D ディスプレイ」、定価は500ドルもするのに、なぜ140ドルで叩き売られていたかには理由がある。日米のこのディスプレイのレビューを調べると、ほとんどのユーザーが頻繁に数秒のブラックアウトを起こすという不具合があることを挙げている。あと、たまに横線が出るとの意見も。

FPSやアクションゲームのプレイ中に数秒のブラックアウトを起こすのは確かにゲーム用ディスプレイとしては致命的な欠陥であるといえよう。しかも、多くの人が初期不良としてメーカー修理に"何度"出してもこの不具合が治らないという情報ばかり。PlayStationの冠がついたゲーム用ディスプレイでその不具合なら、価格が暴落するのも納得せざるを得ない。

しかし、私はMacのサブディスプレイの用途として使うので、この不具合があってもそこまで気にならないだろうと考えていたのと、一つ、思い当たる節があったのだ。

いろいろ調べていると、どうやらこのブラックアウトする不具合、PS3と接続している時に起こるという話ばかりだ。YouTubeで動画を検証してみても、どうも既視感を感じたのである。

そう、以前、Wii Uがうちの東芝のテレビで全く同じような状況になっていたことがあったのだ。ゲームをプレイしていると、突然HDMI信号を失ったかのようにブラックアウトしすぐに復旧する、ティアリングのような横線がずっと出続ける、など。HDMIケーブルがおかしいのかと思って変えてもダメで、もしかしたら外付けHDDが影響しているのかもと思って交換しても無駄だった。

最終的に解決した方法、それはWii Uのテレビ出力設定を1080pから1080iまたは720pに変えること、それだけだった。それだけで完全に治ったのだ。おそらく、720pの映像をアップコンバートして1080p表示しているWii Uとテレビに、なんらかの相性的な不具合があったのだと推測される。

これと同様の現象が、「PlayStation 3D ディスプレイ」にも起こっているのではないのか、というのが私の読みだった。実際、PCのサブディスプレイとして使ってる人のレビューではブラックアウトは遭遇してないという人もいた。しかも、PS3を接続する時、3D表示させるためには接続設定を自動にしなければならないらしく、これが原因なのではないだろうか、と私は思ったのである。


そりゃ、メーカー側もPS3に繋がなければ回避できるとはさすがに言えない状況であろう。なんたって「PlayStation 3D ディスプレイ」なんだから。誰だって、この名前をみたらPS3に最適化されていると思うだろうし、PS3と接続した時に起こる不具合とは思いもしないだろう。

そういうことで、実際に到着したディスプレイをiMacに接続。発色はかなり青い。4年前のプロダクトだからブルーライトなんて気にしてなかったのだろうかとかツッコミ入れたくなるレベル。なので白の発色はかなり寒色で青っぽいが、他の原色系の色はかなり綺麗に出る。これは本体側の設定を調整すればある程度正しい白になるので、問題はなかった。

さて、噂のブラックアウトであるが、結局のところ自分の購入したディスプレイでごくたまに発生した。しかし、iMacのサブディスプレイとして使っている時だけで、3D Blu-rayや3DゲームもやってみたくてPS3をつないでみたところ、こちらでは発生せず。もしかしたら、PS3側のソフトウェアアップデートでこの不具合もこっそり修正されてたのではないかとか思った。サブディスプレイ時になるだけだし、ごくごくたまにしか発生しないので個人的にはまったく気にはならない。(これもMac側の自動設定のせいなのかしら)

ちなみに3Dであるが、これはもう、文句はない。持っていてこれまで再生できなかったレジェンダリー版『Godzilla』の3DBlu-rayを再生したら、ちゃんと飛び出して感動。日米のBlu-ray両方もっているが、両方しっかり飛び出した。そして20年以上ぶりに『怪獣プラネットゴジラ』も3Dで見ることができた…。感動もひとしおである。でも、サンリオピューロランド(と大分のハーモニーランド)で上映してた時にはキティちゃんも登場していたのに出てるシーンを削ったのは許さん。


あと調べたら、何気にXbox360のゲームも3Dに対応していたことを知り、試してみた。持ってた対応ソフトは『ギアーズ3』と『サイレントヒル:ダウンプア』。『ギアーズ3』が3Dでプレイできたのは本当に新鮮で楽しい。3DSのような奥行きと違ってちゃんと飛び出していて嬉しくなる。『サイレントヒル:略』は……もともとバグがひどいゲームなんだけど、3Dモードにするとテクスチャがおかしくなるといった不具合が…。開けたはずの扉がそのまま残ってるとか、ホラー演出なのかバグなのかわかりづらいのでなんとも。

ほんで、PS3の3D対応ソフトもいろいろ試してみた。こっちは、当時ほんとに3Dに力を入れていたようで、Xbox360の3Dよりも優れているものが多い印象だった。持っていた『CoD:BO』はそこまでではなかったが『MotorStorm: Apocalypse(モーターストーム3)』(本当はディスプレイに付属しているはずだったが新古品なので欠品だった)を購入して試してみると、火花とか水しぶきがしっかりとこっちに迫ってきて大迫力であった。

ついでに、体験版のPSPから移植された方の『ゴッド・オブ・ウォー』、PSプラスでゲットした『ICO』を試したのだが、この二つの3Dの飛び出し具合が半端じゃなかった。PSPとPS2の移植のため、さほどグラフィックは優れてはいないが、その分3D表現に振ってあるのではないかと思うほど。全くの別ゲームをプレイしている感覚に落ちいるレベルで、正直ソニーすげえと思った。まあ、ディスプレイの初動がアレだったんですけど。(発売当初、ソニー側がユーザーに原因を最後まで説明できなかったようで、ディスプレイに対する不信感を抱いたレビューだらけになっていた)

ということで、日本では3D映画『アバター』のヒットを機に爆発的に流行るかと思われ、各社が投入した3Dテレビであったが、まあ不発もいいところで日本では全く忘却の彼方へと葬り去られている感じになっていて寂しい今日この頃。

アメリカは、『アバター』のヒットの前から3Dは一般的で、『スパイキッズ』とか『チキンリトル』とか『ジョーズ3』とか『13日目の金曜日』とか、赤青メガネで上映してヒットする社会なので、未だに普通に3D映画や3D対応Blu-rayが出続けてくれてくれるのは嬉しい。

社会は4Kや8Kに向かってるが、個人的にはやっぱり3D表現は好きだ…というか、Nintendo 3DSに鍛えられたおかげなのか3Dでも目が疲れなくなったので、最近好きになったというのが正しいが。

そんなこんなで、好きな映画が3D Blu-rayになったら欲しくなってしまう昨今、とりあえず『ゼロ・グラビティ』の3D Blu-rayが欲しいっす。