2015年7月15日水曜日

PS4『ゴジラ-GODZILLA-VS』レビュー


はい、ということでやって参りました、『ゴジラ-GODZILLA-VS』。アメリカでは日本より二日早くリリースされたので、早速6時間ほどプレイし、PS3版とどう変わったのかを含めレビューしたい。

ちなみに、今作の海外の大手ゲームメディアのレビューは以下の通り。

IGN: 4.5/10 (BAD)
Game Informer: 3/10
Hardcore Gamer: 2/5
Tech Times: 2/5

Metascore35/100、ユーザースコアは4.2/10(7/17時点)。超絶クソゲーと言われたニンテンドーDSの『Godzilla: Unleashed Double Smash』のMetascore 28に迫りそうな勢いだ!やったね!

一方、国内のレビューは…

・ファミ通: 30/40(シルバー殿堂入)

「ファミ通はん、おぬしも悪よのう」「いえいえ、バンナム様こそ」という会話が聞こえてきそうな結果だな…。


このPS4版であるが、PS3版が日本でリリースされる前には北米ですでにアナウンスされていた代物。アメリカ版のタイトルは『GODZILLA -ゴジラ-』だったので、PS3版のリマスターかと思ったらそうでもなく、日本で『ゴジラ-GODZILLA-VS』としてリリースされるものと同じだった。

つまりが日本でのPS3版は、ゴジラ60周年に無理矢理ねじ込ませるために未完成のままリリースされていたと言っても過言ではないだろう。アメリカで初めてゴジラが公開されたのが1956年なので、60周年とか関係ない2015年夏に世界同時リリースになったのは大人の事情を感じずにはいられない。

さて、本題に入ろう。

PS3版のレビューだが、私はやや厳しめに書いた。正直、ゲームとしてあまりにも内容がなかったからだ。PS4版は、グラをフルHDにし、フレームレートの向上(可変60fpsと思われる)、登場怪獣の追加、それらの怪獣でプレイできるという目に見える大きな新要素がある。

しかし、メインモードの流れはPS3と全く一緒である。基本、Gジェネレーターなる円柱の建築物をセコセコ叩いて破壊するだけというゲームシステムそのままだ。


だが、だがしかし!ゴジラの尻尾攻撃が最初から追加されていて、都市の破壊が微妙に快適に!(もちろん今回もアンロック要素はある)PS3の時はあんなにめんどくさかった都市破壊が、気持ちめんどくさくなくなっていた!歩くだけで崩れてくれないから、やっぱりちょっとめんどくさいけど!


各怪獣はちゃんと映画のシーンを再現したムービーが入る

敵怪獣が大幅に追加されたおかげで、各ステージに様々な怪獣が出現するようになり周回プレイもモチベーションを保ちやすくなった。前作はひたすら変な円柱を破壊するだけの作業ゲーだっただけになおさらである。若干、怪獣が出現するタイミングも早くなり(と思う)、敵怪獣が上陸する前にジェネレーターを破壊してステージクリアしてしまうこともほとんどなかった。映画オマージュの登場シーンもいい感じ。


地味に嬉しかったのは、ステージの分岐を最初から表示してくれていること。これによって、総当たりでトライしないといけないというストレスがなくなり、進めやすくなった。まだ戦っていない怪獣がどのルートで出現するのかも予測しやすい。


今作のキモである対怪獣戦であるが、1人プレイモードではバラエティ豊かなバトルが楽しめるようになっていて、素直にそこそこ面白いと思えた。前回はゴジラしか使えない+初期の攻撃パターンが少ないこともあり、イライラするだけで作業感しかなかったが、今作は咆哮アクションの追加などで"やや"アクションの駆け引きがあり楽しめる。早めに敵怪獣が出現するため、都市の破壊残しに敵をおびき寄せて一緒に破壊したり、Gフォースのメカの前におびき寄せて攻撃してもらったりという戦略の幅が広がっている。

1人プレイの対怪獣戦が意外と楽しくて良い意味で期待を裏切られた感じだ。1人プレイは

今作の目玉の一つ、好きな怪獣同士でのオンライン対戦だが、これが致命的に面白くない…。怪獣のもっさりとした動きに、他の対戦アクションゲームに比べて攻撃パターンが少ないのも相まって、ハメ上等のシステムとなってしまっている。こんなオンライン対戦でどう楽しめばいいの?と疑問を投げかけたくなるくらい、対人向けの調整を行っていないのだ。しかもオフライン対戦は未搭載。2人か3人でのオンライン対戦モードしかないので、ほとんどの人はあっという間に飽きると思われる。せめて、街の破壊した規模を競うモードとか、単に殴り合うだけじゃないモードも入れて欲しかった。

新宿のゴジラヘッドと対面するゴジラさん

とりあず、今のところは楽しめている『ゴジラ-GODZILLA-VS』。マニアならクスリとなるネタ的要素もあるので、ゴジラファンはコレクションとしてみるなら買っても後悔することはないだろう。

ただ、純粋にアクションゲームとしてプレイしてみたいユーザーや、ゴジラにちょっと興味を持ったからやってみようというユーザーには、個人的にはまったくもってオススメできない。あくまで、PS3版と比べて足りない要素が保管+調整されてそこそこ遊べるようになってはいるだけで、純粋なアクションゲームとしてはかなり微妙である。前作が1時間で飽きるゲームだったとすると、完全版となった今作は1日で飽きるゲームになった、というレベル。自らストレスを感じたいというマゾの人か、クソゲーハンターには自信を持ってお勧めできる。

このモスゴジは…どうなのかね

バンダイ的には、モンスターアーツの売り上げ牽引という目的も兼ねているとは思うが、あまりにもライセンス人気とパッケージングだけで集客しようとしているのがはっきりと感じ取れてしまう。まあ、いつもの(悪い方の)バンナムゲーだということなのだろう。

しかし、PS3版で絶望して今作を敬遠しようとしているゴジラファンには、ゲーム内で怪獣ごっこができるツールとして機能していることは声を大にして伝えたい。360/PS3でリリースされていた『パシフィック・リム』の格ゲーのように。

もし、次回作があるのなら、老舗開発会社ナツメアタリの本気が垣間見えるアクションゲームを是非とも期待したい。

伊勢海老並みの大きさのバトラさんとギャレさん。いじめです。

今作はしっかりとやりこむつもりなので、コンプ後にまたレビューを書こうと思う。

PS:アメリカ版だとGジェネレーター表現は一緒だが、ゴジラのエネルギーは原子力エネルギーとなっていた。ゴジラというキャラクターの根本を成す要素なので、日本では無理でもアメリカ版でこのような表現にしてくれたことは評価したい。

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