最近、ニューヨーク近代美術館のMoMAがビデオゲームの展示を始めた。テトリスやテニスゲームなどのソフトだけでなく、世界初の家庭用ビデオゲーム機であるオデッセイなどが展示されている。
日本のゲームも『スペースインベーダー』や『パックマン』などの古典からカプコンの『ストリートファイターII』などもあり、プレイも可能だ。(IIとIIIを切り替えられる仕様となっていた)
また今年1月、ニューヨークの映画スタジオに隣接されている映像博物館(Museum of the Moving Image)ではインディーズゲームの特集の企画展が開催された。
こちらは元々映像関係の博物館ということもあり昔のゲーム筐体なども常設されているが、インディーズゲームという大手メーカーよりも柔軟な発想で作られるゲームに焦点を当てた展示はなかなか興味深かった。
写真撮影が禁止だった為に画像はないが、PS3&Vitaの『Flowery』をはじめ商業作品としてスマートフォンやコンシューマにリリースされているタイトルや、月の光やたき火の光を徹底的に再現した3D空間の海岸をただ歩き回るだけのゲームなどもあった。
なお、MoMAでも映像博物館でもサンドボックスゲームの『Minecraft』が大きく取り上げられているのが印象的だった。
2012年3月にも、ワシントンD.Cにある国立スミソニアン博物館内のスミソニアン・アメリカ美術館の企画展として、『Art of Video Games』を開催している。(立案者はJavaのゲーム系の開発者だったChris Melissinosである)これはビデオゲームにおけるグラフィックの進化をコンシューマ機の世代別に紹介するものであった。
アメリカでは近代美術館などでビデオゲームを文化やアートとして評価し始めているように感じる。産業的にもただの子供の玩具とはもはや呼べない規模となっているし、近年のグラフィックスの進化は映像作品として評価されるべきレベルであるように思う。
2012年にはニューヨーク大学がゲームデザインの修士課程を開設した。この特別講師には、知る人ぞ知る日本人プロゲーマーのウメハラダイゴ氏も招かれている。アメリカではゲームデザイン科を持つ大学は少なくない。
現在、芸術として評価されている映画の歴史はたかだか100年ちょいである。エジソンが発明した時は、映像を記録し映しだす科学技術だった。それからリュミエール兄弟の記録映画を経て物語性を持つようになり、現在では総合芸術として分類される『映画』となった。
ビデオゲームも、もはや歴史の一瞬に存在するただの遊びなどではない。これから何年、何十年もかけて世界中で文化として、アートとして評価されて行くのだと思う。
願わくば、ビデオゲームを大きく躍進させた日本でも、もっともっとその風潮が強くなってほしいところである。
そんじゃーね!
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