発表された時から彼の代表作であるバイオ4っぽいとか言われていたが、プレイしてみるとバイオ4まんまだコレ、という。本人はホラーゲーを作る気はなかったけど、彼の会社がゼニマックスに買収され、ホラーを打診されたとインタビューにある。
これ、ゼニマックスからバイオ4作ってくれって言われてる感満載の完成度であった、というか明らかに言われただろ。
ラウラさん、動きが素敵です。
結論から言うと、バイオ4大好きな私は非常に楽しめた。演出もクリーチャーもなかなか良い。特に、手がいっぱい貞子ことラウラさんは賛否あるようだが、私は日本人の作ったホラーゲーキャラの中で1、2を争う怖さだと思う。
ゲーム自体はオーソドックスなホラーTPS、というか構え移動できるバイオ4と思ってもらって問題ない。敵がアメリカのB級スプラッターホラー的なデザインだったり以外は、トラップやら謎解きやらの要素はほぼバイオ4である(世界観が不条理かつ不安定なのはちゃんと意味があるので個人的には良かった)。
このゾンビさん達、後半は安定の武装化。防弾チョッキとかマシンガンとか装備しちゃいます。
最初のゾンビとの遭遇シーンは純度100%バイオ1のシーンだったし、武器のカスタマイズ要素や、敵のゾンビ的なやつが最終的にどんどん武装していくのも、バイオ4そのままという。ただ、The Last of Usのようなスニーキング要素があるので、瓶を投げて敵を誘導してスニークキルができるなど、攻略の幅は広がっている。あと、打撃攻撃もできるが、数少ない斧や松明などがなければ己の拳は非力なのは、バイオ6と違って非常に良い。銃弾も本当にギリギリだしね。
日本版は未プレイだが、北米版だとゴア要素もDead Space並みかそれ以上となっていて、そういうのが好きな人は爽快感があるアクションが楽しめると思う。ただ、Dead Spaceのような操作性やアクションを期待すると、ややがっかりするかもしれない。根本的な設計思想が違うのだろう。
北米版は攻撃判定に結構細かく人体欠損描写があり。苦手な人には全く無理なシーンの連続。
残念だったのは、発売を延期したのにゲームの最適化が間に合ってなかった部分。フレームレートがやや低く不安定で、常時30fpsはぜんぜん維持できてない。あとはフリーズバグは結構な頻度で遭遇したし、一部のオブジェクトに当たり判定がなくてすり抜けたりしてた。低いフレームレートは結構3D酔いを誘ってくるので、これらは早くパッチで改善してほしいところである。
さて、未プレイの人が気になるのは、トレーラーだけでは全くつかめないあの世界観だろう。これは、是非とも最後までプレイして確認してほしいのだけども、情報量が少なすぎて全くわからない、という意見もありそう。その辺のお話や設定に関するレビューは、この後にネタバレ情報と共に書くので、注意。
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で、ここからは完全にネタバレ。
The Evil Withinの世界は、一見ホラーだが、最終的にはSFだったということが分かる。
三上真司氏の作品は様々な映画の影響を受けていることが散見されるが、これも例外ではない。まあ、ぶっちゃけてしまえばクリストファー・ノーランのインセプションそのままなのだ。主人公たちが気付かないだけ(まあ、ヒロイン(?)のキッドマンは気づいているが)で、基本的には人の夢、というか他人の意識の中にいるのである。
インセプションのワンシーン。都市の崩壊シーンとか似てる。
ほんで、ラストシーンはいろいろ解釈がとれるが、まあインセプションであった二重の夢の中という感じだろう。主人公たちはキッドマンの組織のSTEMという装置からルヴィクの脳とつながって彼の意識の中にいる状態なのだが、その意識の中でもさらに装置を使ってその世界のルヴィクとつながっていて、ゲームのラストで主人公が抜け出した世界は2層中の1層目であるというのが、主人公の頭痛と、現実で少しだけ意識を取り戻した主人公にキッドマンが話しかけた内容から推測できそうだ。まあ、1回現実世界に目覚めた後にキッドマンにまたもとのSTEMの世界に戻された可能性もあるけど。
この重力無視表現も劇中で散見。
この辺は追加DLCで語られると思うので、単に私の予想ということで。
そういや、ラスボス戦でロケラン使って倒すってのもバイオまんまやないか、という。いや、ファンは嬉しいけども。
そんなこんなで、自分的には今年最大のヒット作品であったThe Evil Within。まだまだやることは多いので、やりこんでいこう。